変圧器の巻線温度指示計(WTI)と光ファイバー温度センサはいずれも巻線温度を示しますが、その求め方は異なります。一方はほかの測定値から推定し、もう一方は物理的な1点で測定します。適切な選択は、監視目的、変圧器の設計、新設か改修かによって決まります。
- WTIは通常、油温と負荷補償から巻線温度を推定します。
- 光ファイバーセンサはプローブの物理位置の温度を直接測ります。
- WTIは通常、巻線内部の埋込センサを必要としません。
- 光ファイバープローブは通常、変圧器製造中に選定巻線位置へ設置します。
- WTIは従来の変圧器巻線温度指示、警報、制御機能に実用的です。
- 光ファイバー測温は、ホットスポットの直接測定と電気的に絶縁した検出が必要な場合に特に有用です。
変圧器巻線温度監視ガイド
- WTIと光ファイバー温度センサの比較
- 変圧器巻線温度計の仕組み
- 光ファイバー巻線温度測定の仕組み
- 変圧器巻線温度の直接測定と推定の比較
- 変圧器ホットスポット監視
- 新設変圧器と改修用途の比較
- 変圧器温度監視の選定ガイド
- 光センサのチャンネル数
- PLC / SCADA連携
- INNO光ファイバー変圧器温度監視
- 変圧器巻線温度FAQ
WTIと光ファイバー温度センサ:主な違い
| 比較 | 変圧器巻線温度指示計 | 光ファイバー温度センサ |
|---|---|---|
| 測定方式 | 推定・模擬巻線温度 | 直接点温度測定 |
| 主な入力 | 油温+負荷関連補償 | 埋込プローブの光応答 |
| 巻線内部のプローブ | 通常はなし | はい。巻線の直接測定に対応します。 |
| ホットスポット測定 | 推定 | 選定プローブ位置で直接測定 |
| 感温点での電気信号 | 従来の電気測定構成 | 光感温経路 |
| EMI耐性 | システム・配線による | 光感温経路の高い耐干渉性 |
| 設置段階 | 従来監視・後付け構成に適する。 | 巻線埋込み測定は変圧器製造時に計画するのが適切です。 |
| 多点測定 | 通常は同種の直接多点巻線測定ではない | 複数プローブで複数物理位置を監視可能。 |
| PLC / SCADA | 構成に応じて監視装置経由で利用可能 | 構成に応じて監視計測器を介して利用可能 |
主な違いは精度だけではなく、巻線温度の推定と、物理点の直接測定の違いです。
変圧器巻線温度計の仕組み
従来型WTIは油温と負荷電流に関連する熱補償を使い、模擬巻線温度を生成します。WTI設計に応じて、次の要素が含まれます。
- 変圧器油温
- 負荷電流入力・変流器信号
- ヒーター・電子熱補償。
- 変圧器向けに構成した熱的な関係
従来型WTIでは通常、巻線導体に温度センサを直接置きません。結果は巻線温度の推定値であり、導体で取得した測定値ではありません。
WTIは、巻線にセンサを埋め込まずに実用的な巻線温度指示が得られるため、引き続き広く使用されています。モデルによって、現場表示、警報・トリップ接点、冷却制御、上位監視システムとの連携に対応できます。
変圧器巻線用光ファイバー温度センサの仕組み
測定系は4要素です:
光ファイバープローブ → 光ファイバー → 温度監視計測器 → 温度データ
プローブを所定の巻線位置に設置し、その物理点の温度を直接測定します。光ファイバーは光信号だけを伝送し、監視計測器が応答を温度データに変換します。INNOが採用する方式: 蛍光式光ファイバー点式測温 この目的のためです。
変圧器巻線での実用的な利点は以下です。
- 選定点の直接測定。
- 電気的絶縁
- 光学測定経路の高い耐電磁干渉性。
- 高電圧巻線環境への適合性
- 複数巻線位置の監視
変圧器巻線温度の直接測定と推定
推定方式は「ほかの測定条件から、巻線温度はどの程度と考えられるか」に答えます。直接の点式測温は「設置したこの感温点の実温度はいくらか」に答えます。
| 質問 | WTI | 光ファイバーセンサ |
|---|---|---|
| 巻線導体を直接測りますか。 | いいえ。通常は推定です。 | はい。設置したプローブ点で測れます。 |
| 埋込プローブが必要ですか。 | いいえ | はい。内部巻線の直接測定に対応。 |
| 複数巻線位置を独立表示できますか。 | 直接埋込点測定としては該当しない | はい。複数プローブで可能です。 |
| 実際のホットスポットを自動認識しますか。 | いいえ | いいえ |
最後の行は重要です。光ファイバープローブは設置位置を測り、巻線で最も高温の点を探索しません。そのため、選定したホットスポット候補位置を測ります。
変圧器ホットスポット監視のWTIと光ファイバー比較
実際のホットスポット温度の直接測定が必要な場合、埋込光ファイバープローブは従来WTIでは直接測れない情報を提供します。この値は、次の条件で定める適切な配置に依存します:
- 変圧器巻線設計。
- 予測ホットスポット領域
- 熱計算
- 冷却設計
- メーカー経験
WTIは、巻線温度の推定や従来の制御・保護構成に引き続き有用です。両方式を併用する変圧器監視システムもあります。ホットスポットの原因と位置については、変圧器のホットスポットの発生原因と監視方法に関するガイドをご覧ください。
新設・改修変圧器にはWTIと光ファイバーセンサのどちらを選ぶべきか
新設変圧器案件
製造中、変圧器の組立完了前に、選定した巻線位置へ光ファイバープローブを埋め込めます。次の場合に適しています:
- 新設電力用変圧器
- 発電機昇圧(GSU)変圧器
- 高価値の変圧器
- 直接巻線ホットスポット監視が必要な変圧器
- 多点直接測定が必要なプロジェクト
全新設変圧器に埋め込み光測定が必要なわけではなく、仕様で判断します。
既設変圧器の改修
製造後に新たなプローブを巻線内部へ直接設置することは、一般に大幅に難しくなります。既設変圧器では、既存設計に応じて、WTI、上部油温センサ、外部監視、熱モデルが実用的な選択肢となることがよくあります。
変圧器に埋込み光ファイバープローブがすでにある場合、プローブ互換性とコネクタ・インターフェース要件を確認したうえで、監視計測器や外部連携構成を更新できることがあります。
WTIと光ファイバー温度センサの選び分け
| プロジェクト要件 | より適した選択肢 |
|---|---|
| 基本巻線温度表示。 | WTI |
| 既存変圧器の改修 | WTI・熱監視のほうが実用的な場合が多い |
| 選定巻線の直接温度 | 光ファイバーセンサ |
| ホットスポット候補の直接測定 | 光ファイバーセンサ |
| 複数の巻線内部点 | 多チャンネル光ファイバー監視。 |
| 高電圧・強EMI感温点 | 光ファイバーセンサ |
| 冷却制御 / 従来の変圧器温度指示 | WTIが適する場合がある |
| 推定・直接両方の熱データが必要。 | WTI+光ファイバー監視。 |
最終選定は固定順位ではなく、変圧器設計と監視目的に従います。
変圧器巻線温度監視に光ファイバーセンサは何本必要ですか。
点式プローブ1本は通常1有効測定チャンネルに対応します。本数は変圧器の相、巻線数、選定したホットスポット候補数、監視目的によって決まります。
油入変圧器向けのINNOの一般的な構成には、6/8/9/12/16チャンネルがあります。これらは実用的な構成例であり、義務付けられた業界規格ではありません。必要チャンネル数に関するガイドでは、チャンネル計画を詳しく説明しています。
WTI・光ファイバー監視をPLC・SCADAへ接続できますか。
WTIでは選定したWTIや監視装置の出力によります。光ファイバー監視では、光学プローブから直接ではなく、監視計測器を通して通信します。
システム接続の選択肢:
- Modbus RTUなどの対応プロトコルによるRS485
- 4-20 mA
- 警報リレー
- Ethernet/TCP/IP
- 対応時のCAN
利用可能なインターフェースはモデルと構成によります。全モデルが全出力を備えるわけではありません。
INNO光ファイバー変圧器巻線温度監視
INNOは変圧器巻線と選定ホットスポットの温度測定向けに、蛍光式光ファイバー点式温度センサと多チャンネル計測器を提供します。
- 選定巻線位置用の光ファイバー点プローブ
- 電気的に絶縁された光学検出経路
- 多チャンネル監視構成。
- 専用プローブ・長さの選択肢。
- 対応計測器経由のPLC / SCADA統合。
- 変圧器メーカー向けOEM / ODM支援
INNOの点式プローブの一般的な参考値は、測温範囲約-40~260 °C、精度約±0.5~±1 °C、応答1 s未満、ファイバー長約0-20 mです。プローブ、計測器、プロジェクト構成によって異なります。
変圧器温度監視の選定に必要な情報は何ですか。
- 変圧器種類
- 油入・乾式。
- 新設変圧器・改修
- 相数
- 巻線数
- 想定感温位置。
- 直接測定点数
- 必要チャンネル数
- ファイバー経路・必要長
- WTI要件
- PLC / SCADA要件
- 警報要件
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